2013年1月21日月曜日

大容量ストレージサービス「MEGA」-閉鎖した「Megaupload」の後継

昨年1月、オンラインストレージサービスの「MEGAUPLOAD」が閉鎖したのはまだ記憶に新しく、その後すぐに「FileSonic」がファイルの共有を停止するなど業界に影響をもたらしている。

そんな中、そのMEGAUPLOADの管理者キム・ドットコムが1月19日、新たなオンラインストレージサービスを開始した。



1. MEGAとは?

1.1 概要

「MEGA」は、オンラインでファイルを共有するためのストレージサービス。
無料でアカウントを作成することで、誰でも50GBの容量を利用することができる。
ログイン時には2048ビットRSA鍵が利用され、ファイル転送路および保存ファイルはすべて暗号化される。
現在はβ版の状態でありながらも、基本的に全世界向けに公開され日本語にも対応している。




1.2 MEGAを利用するメリット

現在様々あるオンラインストレージの中でもMEGAを取り上げる理由は、サービスが日本語で提供され、利用可能な50GBもの大容量が無料提供される点に尽きるだろう。

米国発の「ADrive」はMEGAと同じ50GBが提供されるものの日本語には非対応。
また、中国発の「KDrive」は無料で30~50GBの容量が利用できる上に日本語表示に対応しているが、(キングソフト社の提供なだけに)クライアントソフトを入れる際にBaiduIMEを入れられたり、キャッシュフォルダ(隠しフォルダ)からトロイの木馬が検出されることがあるなど、不安要素が多い。

もっともMEGAに不安要素が一つもないわけではない。公開直後ということもあり、アップロード速度が非常に遅い。また、前身の「MEGAUPLOAD」が音楽データや有料ソフトなどの著作物の海賊行為を助長していたとして閉鎖され、現在も係争中であることから、突然のサービス休止の可能性がないとは言い切れない。

これらを加味すると、現在はやはりβ版という位置づけが適当のようだ。実用にあたっては、アップロードしたデータの完全なバックアップを作成することが求められる。その上で、UIや使い勝手をチェックしていこう。



2. MEGAの使い方

2.1 登録

推奨ブラウザはChromeのようなので、Chromeでアクセスしてみる。
MEGAにアクセスすると、雲と歯車のアニメーションが現れる。クラウドを意識しているのだろう。

メイン画面が現れ、右上にはログイン、登録、言語選択が、そして中央にはアップロードボタンがある。


まずは日本語化してみよう。右上の「English」をクリックすると、利用可能な言語が一覧表示されるので、その中から「日本語」をクリックする。

すると、ほぼすべての文字が日本語となる。そして、真ん中には「プライバシー会社」とデカデカと書かれている。意図は・・・不明w

さっそく登録してみよう。右上の「登録」をクリックすると、次の画面が現れる。

「あなたの名前」は適当なものでよいようだ。「あなたのメールアドレス」は認証やログインに利用するため、正確に入力。パスワードは適当なものを入力し、「MEGA利用規約に同意します。」にチェックを入れて、「登録」をクリックする。
パスワード入力欄のゲージは、パスワードの強度(複雑さ)を表している。

すると、以下の画面が現れ、1分弱で入力したメールアドレス宛に登録確認メールが届く。


こんな内容のメッセージが届くので、中ほどのURLにクリックなりコピー&ペーストでアクセスする。
------
Dear (あなたの名前),

Welcome to MEGA! Please click on the following link to confirm your free MEGA account:

https://mega.co.nz/#confirm(認証用の文字列)

Best regards,

The MEGA Team
------

URLにアクセスすると、メールアドレス、パスワードの入力画面が現れる。ここでそれぞれ入力して「Confirm」をクリックすることで、登録が完了する。


以下の画面が現れ、RSA公開鍵のペアが生成される。暗号理論などを勉強していれば、何をしているのかわかるだろうが、そうでない人にとっては「??」な画面だろう。

まもなく、ファイルマネージャーの画面が現れる。


2.2 アップロード

操作自体は何ら難しいことはない。同様のサービスを利用したことがあれば、直感的に操作できるだろう。
ファイルマネージャーの画面でアップロード先のフォルダに移動し、「ファイルアップロード」をクリックする。

すると、一般的なファイル選択のウインドウが現れるので、アップロードするファイルを選択し、「開く」をクリックする。複数選択も可能。

ファイルマネージャーの画面に戻り、下部の「ファイル転送」ステータスにアップロードするファイルの転送状況が表示される。
ちなみに、「pending」とは、「保留中」の意味である。サーバーが混雑していたりすると、即座にはアップロードが開始されず、このような表記がなされる。

アップロードが完了していない状態で画面を移動(「マイアカウント」などへ移動)しようとすると、以下の警告が現れる。

アップロード中は以下のような画面となる。

アップロードが完了すると、上のファイル一覧にファイル名、サイズ、ファイルの種類などが表示される。
ファイルを共有する場合は、ファイルを右クリックし、「リンクの取得」をクリックする。

すると、ファイルのリンクやファイルにアクセスするためのキー、ファイル名、ファイルサイズをチェックの有無に応じてコピー用文字列を生成できる。

あとは、これをクリップボードにコピーし、友人などへメールすればOK。


2.3 マイアカウント

画面右上の「マイアカウント」をクリックすると、現在の契約種別や利用ストレージなどを参照できる。

左のメニューの「転送設定」をクリック(または、下にスクロール)すると、転送速度や接続数の設定などを確認できる。必要に応じて変更するとよい。



3. 全体的な使い勝手

サービス開始直後であるためか、通信速度にやや不満を覚えるものの、リンクの取得やフォルダ分けなど、基本的なオンラインストレージとしての要件は満たしているようである。
ただ、クライアントソフトが存在しないため、DropboxやGoogleドライブなどのようなローカルストレージとの自動同期は提供されていないため、使い勝手としてはやや難ありといった印象だ。

せっかくこれだけの容量を無料で利用できるのだから、バックアップ用のストレージとして活躍させたいところであるから、さらなるブラッシュアップを期待したいところである。


サイトのいたるところに「プライバシー」「著作権」といった文言を見かける。これは、前身の「MEGAUPLOAD」だけでなく、現在も利用されているオンラインストレージの影の部分である著作物の違法アップロードを取り締まる気概を示すことで、健全な利用を心がけるものである。
便利なサービスを一部の心無いユーザーの行動で閉鎖させてしまわないよう心がけて、このサービスの有用な利用をしたいものである。

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