2011年5月10日火曜日

XperiaにカスタムROMを導入しよう(準備編2)




前回の「XperiaにカスタムROMを導入しよう(準備編1)」ではroot化とBusyBoxの導入について触れたので,今回はカスタムROM導入の肝となるxRecoveryについて書く.


■xRecovery導入

xRecoveryは,Titanium Backup ★ rootと同様にバックアップ・リストア(復元)に用いるのだが,それだけではない.大半のカスタムROMはこのxRecoveryを用いて焼く(書き込む)ため,
カスタムROMを焼いたことのある人ならば知らない人はいないだろう.

このソフト1本で初期化,キャッシュやシステムファイルのワイプ,バックアップ・リストア,カスタムROM(と関連するソフト)の適用と,至れり尽くせりである.

前置きはこのぐらいにして.

①(PC)xdaサイトより「xRecovery-0.3-release.apk」をダウンロード.

②(PC)①のファイルをXperiaのSD直下に移動.

③(X)「設定」→「アプリケーション」→「提供元不明のアプリ」にチェックを入れる.

④(X)ファイルマネージャー(アストロやOI File Editorなど)を使い②のファイルをタップ,パッケージをインストール.

⑤(X)ドロワー中の「xRecovery Installer」を起動.

⑥虫メガネボタン3つと「Install xRecovery」ボタンがあるので,「Install xRecovery」ボタンをタップ.

⑦虫メガネマークがチェックマーク(※)に変わればインストール成功.
※禁止マーク?車両通行止めっぽいマーク(分かるかな?ww)がでたらインストールエラー.root化されているか,そしてBusyBoxをインストールしたか確認.




■xRecoveryの起動方法

①Xperiaの電源を切る.

②電源ボタンを長押しして電源を入れる.

③「Sony Ericsson」のロゴ文字が表示されたら「戻る」ボ
タン(ディスプレイ右下の<=ボタン)を数回「トーントーン」という具合で押し続ける.

④すると下のメイン画面が現れる.

ふてぶてしい笑顔ですねww

xRecoveryでは,以下のボタンで操作する.
・項目の(上下)選択→音量ボタン
・選択項目の決定→「ホーム」ボタン
・一つ前の画面→「戻る」ボタン




■xRecoveryのメニュー項目説明

- Reboot phone
xRecoveryを終了し,端末を再起動
- Install update.zip from SD Card
SDカード直下のupdate.zipファイルを適用
- Factory reset (full wipe)
工場出荷時の状態にする(本体のすべてのデータが消去される)
- Wipe cache partition
OS(ROM)のキャッシュエリア内のデータを消去
- Install custom zip
SDカード内に用意したzipファイル内のデータを展開,インストール
  「Install update.zip from SD Card」と違い,SD root以外の場所からでも,
  または「update.zip」以外のファイル名でもインストールが可能
- Backup and restore
端末のバックアップとリストアに使用.下で詳説.
- Partition tools
パーティション操作ができるらしい
  いじる必要が無い上に不具合を起こす可能性があるので触れないのが吉
- Advanced options
主に「 - Wipe Dalvik Cache」にのみ使用
  「 - Wipe Dalvik Cache」はその時点で入っているROMのキャッシュを消す
  新しいROMを焼くときはDalvik Cacheを消すことが多い



■xRecoveryを用いたバックアップ

SDカードに2GB程度以上の空き容量があり,50%以上充電された状態で行うのが望ましい.

①「Backup and restore」を選択.

②「Backup」を選択(下図).

③バックアップが開始される.

④メニュー画面が表示され,白文字で「Backup complete!」とあればバックアップ完了.



■xRecoveryを用いたリストア

50%以上充電された状態で行うのが望ましい.


①「Backup and restore」を選択.

②「Restore」を選択.

③バックアップした日時が表示されるので,戻したい状態の日時を選択(下図).

④リストアが開始される.

⑤メニュー画面が表示されたらリストア完了.



このソフトのすごい所は,万が一Xperiaが故障して使えなくなったとしても,「Sony Ericsson」のロゴさえ表示されれば復元が可能であるという点である.

カスタムROMの適用中に謎の再起動やシステムクラッシュが起き,涙目となってからでも正常起動時の状態へと復元できるため,カスタムROMを導入するときはもちろん,rootを取った人は是非利用して欲しいソフトである.



準備編3では,既にインストールされたアプリなどのデータをバックアップするソフト「Titanium Backup ★ root」の利用方法を書いていく.

XperiaにカスタムROMを導入しよう(準備編1)

(前回の更新,去年の7月だよ・・・orz)


昨年の8月に購入したXperia (SO-01B),Androidという異国の響きに酔い購入したXperia.それがもう過去のものとなってしまいそうな昨今のAndroidブーム.

もう少しXperiaを現役で使いたいよなーと思いながら何気なくAndroid系の雑誌を読んでいたら・・・という話はどうでも良いんだよなw



Xperiaは,Android OS 1.6が入った製品として販売され,後に2.1,擬似マルチタッチ対応2.1とアップデートがなされてきた.そして,ソニー・エリクソンより,今年の第2四半期終わり~第3四半期前半(6月~7月?)にも2.2を飛ばして2.3にアップデートされるとのニュースも流れてきた(※1).ただし,これはあくまでもGlobal版(X10)の話なので,ドコモのSO-01Bに対しても行われるかは未定(2011年5月10日現在).

※1:Update on Xperia™ X10 | Product Launch Blog

これはユーザーが長い間待ち続けた朗報であるが,アップデートまでは動作もっさりの2.1のままだし,日本でもアップデートがなされるかどうかは分からないため,いち早くFlashによる快適なWebブラウジングをしたい,隅々までカスタマイズしたい,という世界中の有志がすでに改造版Android OSを作ってしまったw

それらはカスタムROMと呼ばれ,その種類は確認しているものだけでも10種類を超える.中には,多少動作が不安定であっても動作速度を最大まで上げたものや,安定して作られたものなどがあり,それらによってXperia X10はますます使いやすくなる.

というわけで,表題の通り,「XperiaにカスタムROMを導入しよう」シリーズを全9回にわたって書いていく.


※注意※
・これから紹介する行為はすべて非公式
・カスタムROMを導入→不具合→サポート×
・分からないことがあればggrks自己責任



■root化

Androidは一般にOSであると認識されている(ここでは便宜上一般と同様にOSと認識する)が,実際はLinuxカーネル上で動くフレームワークであるから,一般のディストリビューションと同様にroot権限が存在する.

一度でもOSを勉強したことがある人なら分かると思うが,システムファイルや設定を変更するときは大抵root権限(Windowsで言うAdministrator権限)が必要となってくる.Androidでもそう.OS部分などを改変するわけであるから,当然rootを取る必要がある,

カスタムROMの導入に限らず,root化は非常に有用なソフトを入れる際に要求されることもある.例えば,本ブログでも紹介するバックアップ(準備編2で解説)アプリの決定版Titanium Backup ★ rootや,テザリング(考察編2で解説)アプリのBarnacle Wifi Tetherなどがそうである.



早速,root化の手順を記す.ただし,Windows PCがあり,XperiaにはAndroid 2.1(マルチタッチ)が導入されているものとする.
xda developersサイトよりファイルをダウンロードすることが多いので,無料アカウントを取っておくことをおすすめする.

①(PC)xdaより「X10 Flashtool version 0.2.9.1」をダウンロード,X10FlashTool.exeを実行.

②(X)Xperiaの「設定」→「アプリケーション」→「開発」→「USBデバッグ」にチェックを入れる.

③XperiaをPCに接続して,(PC)FlashToolウインドウ内の「Root」をクリック.

④Xperiaが再起動し,(X)ドロワー(アプリ一覧)の中に「Superuser」アプリがあればroot化完了.


うーん,root化,簡単!
FlashToolでroot化が不可能であれば,「SuperOneClick」を試してみるのもアリ.




■BusyBox導入

簡単に説明すると,これはシステムの内部までいじるのに必要なUNIXコマンドなどが入っている,root化と同時に入れるべきアプリ.
※このアプリはAndroidマーケットより入手可能.

①(X)「マーケット」アプリを起動し,「BusyBox」と検索.

②(X)検索結果中の「BusyBox」アプリをインストール.

③(X)BusyBox(インストーラー)を起動し,画面真ん中上ほどに「Your phone is rooted」と書かれていれば正しくroot化されている.

④(X)画面下部の「Install」ボタンをタップ,BusyBoxをインストール.「Status: Waiting...」が「Status: Done!」となればBusyBoxインストール完了.



準備編2では,カスタムROM導入で最も重要なバックアップソフトであるxRecoveryについて書いていく.