2013年1月26日土曜日

Windows 8にスタートボタンを復活させる「Classic Shell」

2012年10月26日、Microsoft社のPCおよびタブレット用OS「Windows 8」が全世界で発売開始された。
アップグレード版における期間限定の優待プログラム(1200円、ダウンロード版)や格安価格(3300円、ダウンロード版)での提供などにより、ライセンス販売数が発売1か月で4000万本、10週間余りで8000万本を突破する(*1)など、PC販売不調のささやかれる現状に首をかしげたくなるような快進撃が続いている。まあ価格が通常価格になってからが正念場だろうが。

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しかし、各方面からはユーザーの不満が相次いでいる。その中でも最も多いのが、「スタートボタンがない」であろう。この意味するところは、
・インストールしたソフト(アプリ)をどのように起動するのかわからない
・ユーザーフォルダー(ドキュメントやピクチャなど)へのアクセスが面倒だ
・プログラムやファイルの検索が気軽にできない
など。
今までWindowsを使ってきたことのあるユーザーであれば、これらの操作に不安を覚えると、Windows 8に手を出さないのも納得である。

これは、Windows 8が一体型PCやタブレットなどのタッチパネル搭載モデルを意識したUIにしたため。
個人的には「無理に同じOS(UI)にしなくてもよいのでは?」と思うが、PC、タブレット、携帯電話などのすべてのプラットフォームで同じUX(ユーザー体験)の実現を目指すMSの方針がある以上、まあ仕方がない。開発担当がMSを追われる事態になっているのも、噴出する批判を顧みれば納得だろう(汗)

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Windows 8の開発者向けプレビュー版(Developer Preview)までは、レジストリを改変することでスタートボタンを表示できたのだが、一般ユーザー向けプレビュー版(Consumer Preview)以降、現在の製品版に至るまでスタートボタンが完全に消失してしまった。

どうしてもWindows 8のパネル調の「Modern UI」に慣れない、スタートボタンを復活させたいというユーザーにとって、これから紹介するソフトは重宝される存在である。



1. Classic Shellとは?

1.1 概要

「Classic Shell」は、 Ivo Beltchev氏によって作成された、Windows 8にスタートボタンを表示させる機能を含むWindows用ユーティリティソフト。
有限会社 電机本舗により、日本語化および各種変更を行なったリビルド・再配布版が配布されている。
※以降、「Classic Shell」は後者の日本語版を指すものとする。

スタートメニューも再現されており、ビジュアルスタイルはクラシック、XP、Vista/7スタイルから選択可能。




1.2 Classic Shellを利用するメリット

Windows 8では利用できないスタートボタン、スタートメニューを再現できるため、従来のUIに慣れ親しんだ人も気軽にWindows 8に移行することができる。

また、起動時にModern UIを飛ばしてデスクトップ画面を表示させることも可能なため、普段使いのPCだけでなくビジネスユースにも適している。



2. Classic Shellの利用手順

2.1 ダウンロード、インストール

①電机本舗のソフトウェア紹介ページにアクセスし、下部の「4.ダウンロードとオリジナルの案内」より「■通常版Classic Shell 3.6.5J(2013.01.21ビルド)」(執筆時)をダウンロード

②ダウンロードしたファイルを実行し、自己解凍する(解凍先は任意)

③解凍先のフォルダの中の「ClassicShellSetup.exe」を実行

④一般的なソフトと同様の手順でインストールを進める


2.2 外観、設定

インストールが完了すると、左下にはすでにスタートボタンが現れている。「2.1 ~」の①で標準版を選ぶと、“Shell”らしいカラフルなホタテ貝のアイコンがそれである。

クリックすると、いつもの親しみのあるスタートメニューが現れる。(メニュー背景などの色が赤っぽいのは、筆者のWindows 8のUIテーマ色が赤っぽいからである(笑))

「プログラム」にマウスカーソルを置くと、インストールされているプログラムが一覧表示される。(Win7までは当たり前のことだが汗)

Classic Shellの設定をしてみよう。ホタテ貝(笑)のボタンを右クリックし、「設定」をクリックする。

設定画面が現れる。
「スタートメニュースタイル」タブでは、スタートメニューの形式を以下より選ぶことができる。
・クラシックスタイルの「Windows Classic」
・XPユーザーにはなじみ深い「Windows XP」
・Aero機能に近い「Windows Vista/Windows 7」

「基本設定」タブでは、スタートボタンを押したときやキーボードのWindowsボタンを押したときの挙動をはじめとする様々な設定が可能。

この中で、非常に有用な設定項目がある。「メトロスクリーンをスキップする」を有効にすると、PC起動時に現れる「Modern UI」(パネル調の画面;旧「メトロUI」)をスキップして「デスクトップUI」(いつもの画面)を表示することができる。
まえがきでも触れたとおり、この項目を有効にすると(ModernUI→デスクトップUIの切り替えなしに)PC起動後すぐに仕事に取り掛かれるため、ビジネス用のPCにもWindows 8を導入する際の問題が幾分かは解決するのではないだろうか。

また、「スキン」タブでは、スタートメニューのスキンを「Windows Aero」だけでなく、「No Skin」、「Clasic Skin」、「Full Glass」、「Metro」、「Smoked Glass」、「Windows Basic」、「Windows XP Luna」の8種類から選び適用することができる。そのほかにも、小さいアイコンにしたりユーザ画像を非表示にするなどのカスタマイズが可能。

設定画面の左下の「フル設定」を選択すると、上の項目以外にも細かい項目の設定が可能。(正直使い切れない(笑))

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