Googleは言わずと知れたウェブサービス企業である。
2007年にAndroid OSを発表して以来、独自のウェブサービスを生かしてモバイルプラットフォームにおけるインターネット利用に革命をもたらした。
そんなGoogleが2011年11月、「Google Music」なるサービスを米国で開始した。
以下では、それがどのようなサービスなのか、どのようにして使うのかを順番にまとめる。
1. Google Musicとは?
1.1 概要
Google Musicは、利用者が持っている楽曲を20000曲までオンラインにアップロードし、PCやスマートフォンなどのデバイスで自動同期・ストリーミング視聴を行うことができるサービス。2013年1月現在、米国、ヨーロッパでサービスを提供し、日本では利用できない(が、後述の手順で利用可能!)。
1.2 Google Musicを利用するメリット
一度楽曲をアップロードしてしまえば、PCであればブラウザひとつでストリーミング視聴ができるし、スマートフォンであればアプリをインストールすることでPCと同様に視聴可能。また、PCでMusic Manager(Google Musicサイトでダウンロード可能)をインストールすることで、指定したフォルダーに楽曲が追加されると自動的にアップロードしてくれるため、アップロードや同期などの煩わしさを感じることなく様々なデバイスで再生可能となる。
1.3 日本でのサービス提供の現状
「1.1 概要」でもふれたとおり、2013年1月現在、日本を含む米国・ヨーロッパ以外の国ではサービスが提供されていない。さしあたり日本におけるサービス非提供の最大の理由は、著作権だろう。現在の著作権法では、たとえそれが自分のみが利用する場合であっても、サーバーなど(DropboxやSugarSync含め)自分の管理の及ばない場所へ著作物をアップロードすることは許されていない。ただし、ここで注意すべきことは、誰が訴えられるかということ。
もちろん、アップロードした楽曲のダウンロードURLを知らせれば、それは公衆送信にあたりアップロードした人がその責任を負うことになるが、単に自分自身が単にバックアップのためにアップロードするような場合、責任を負うのはサーバーの提供事業者なのだ(!)。ただし、VPSやLANなどはこの限りではないようである。
つまり、そのような法律のしがらみがある以上、事業者は訴訟リスクを冒してまでサービスを提供したくないと考え、サービス提供に踏み切れないのである。
しかし、以上の話は自分以外の人の著作物をアップロードした場合である。
Google Musicには、無名アーティストが曲単位で楽曲を売り出すシステムがすでに用意されている(もちろんサービス提供地域のみに向けたサービスであるが)。
Googleが生み出したこれらのサービスが、レーベル会社と契約しなければまともにアーティストとしてアピールできなかった環境を変えようとしている。この側面ひとつ取り上げても、Googleという一つの巨大なフレームワーク上で実現可能なことの一端を体験してみたいという願望が生まれる。
実は、このサービス、あることを初回アクセス時に行うことで、日本でも利用することができるようになる。後半は、その手順についてまとめる。
2. Google Musicの利用手順
それでは、Google Musicを利用するための具体的な手順をまとめる。簡単な流れは、
①アメリカのプロキシを通してGoogle Musicにアクセス
↓
②Google Music利用登録
↓
③PCにソフトをインストール、楽曲アップロード
↓
④ブラウザ(PC)またはアプリ(Android)からアクセス、視聴
の通り。この手順ですべきことがわかったら、以下の記事は見なくても大丈夫だろうw
ちなみに、プロキシを介してアクセスするのは初回のみ。あとは登録が完了したGoogleアカウントでアクセスしさえすればよい。
必要なものは、利用登録に利用するGoogleアカウント、そしてクレジットカードの2つ。
なにもクレジットカードで決済する必要はない。必要な理由は後ほどふれる。
2.1 プロキシを介してアクセス
「Google Musicは、米国、ヨーロッパ在住者のみに対してサービスを提供している」を言い換えると、
「Google Musicは、米国、ヨーロッパのIPアドレスからアクセスした人に対して登録画面を表示している」
ということなのである。つまり、米国にあるプロキシサーバーを経由してアクセスすると、Google Musicからは米国内からのアクセスとみなして登録画面を表示するのである。
それでは、プロキシサーバーを介してアクセスするための手順を書く。
ここでは、Google謹製のブラウザ「Google Chrome」に、プロキシを通したアクセスを可能にする機能拡張(エクステンション)を利用した手順を書く。Firefoxなどでも同様のアドオンなどを導入する、ブラウザの設定でプロキシを指定するなどすればよいので、それらについてはggrksでおなしゃすw
「アメリカ プロキシ 無料」でググれば、利用可能なプロキシがわんさか出てきますよw
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①Google Chromeでここにアクセスして、「Chromeに追加」をクリック
②「新しい拡張機能の確認」というウインドウが現れるので、「追加」をクリック
③ChromeにStealthyが追加され右上にアイコンが現れるので、アイコンを右クリック→「オプション」を選択
④「Configulation」エリアの「Customized」右のラジオボタンにチェックを入れ、さらに右の文字入力欄に「United」と入力すると、「United States」が現れるので、それを選択
⑤右下の「Save」をクリック
⑥Chromeウインドウ右上のStealthyアイコンをクリックすると、プロキシ経由でのアクセスが有効となる
2.2 Google Musicの登録
①Stealthyを有効にした状態で、Google Musicにアクセスし、現れたポップアップの右下「AGREE AND NEXT」をクリック②2012年11~12月あたりから、クレジットカードによる提供地域の判別が行われるようになったため(無料)、「SET UP ACCOUNT」をクリックして続行する
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※以降、プロキシを経由することで起こる通信の不安定さにより、ここに書かれていないウインドウやメッセージが現れる可能性がある。そのときは、プロキシサーバーを手動で設定する、後でやり直すなどで対応してほしい。
※手順を検証する段階で何度か失敗しているため、以降の手順はやや不正確w
しかし、何らかのヒント・手助けになるかもしれないため、失敗した場合の画面も載せている。
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③「Name」は名前を、「Zip code」は実在するアメリカのZIPコード(郵便番号)5桁を入力、「Card number」はクレジットカードの番号を、「Expiration date」は有効期限を月/年で入力、「Security code」はカード裏面の署名欄右上(?)に書かれた数字の下3桁を入力、「Accept and continue」をクリック
④エラー発生・・・orz
⑤先にGoogleウォレットに登録してみることにした、ただし今は入力しない
⑥とりあえずウォレットのメイン画面まで開けるようになった
⑦この後再び②に戻り、「SET UP ACCOUNT」をクリックすると、新しいウインドウが現れる
⑧「Select payment method」をクリックし、「Add a new payment method」を選択
⑨すると③のような画面が現れるので、③の要領で入力
⑩「Pay with:」の隣に⑨で追加したクレジットカードが表示されるので、右下の「Accept and buy」をクリック
⑪すると、「Account activated」と書かれた画面が現れる
⑫念のためにF5で更新してみると、Activateされたにもかかわらず①の画面に・・・orz
⑬とりあえず②→「SET UP ACCOUNT」をクリックすると、今度は⑩の画面に(カード情報は登録されている)
⑭もう一度「Accept and buy」をクリックすると、今度は以下の画面が現れる
⑮「あ~ぁorz」と思いつつ「Close」をクリックすると、何やら成功した風な画面が現れる
⑯プロキシ設定を解除(Stealthyでは再びアイコンをクリック)してF5を押下すると・・・
⑰再び⑮が表示された→成功!IYH!
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正直、登録にここまで苦労するとは思わんかったw
というのも、筆者がプロキシを経由して登録したときは、クレジットカードの登録やZipコードによる地域確認は行われていなかったのだ。
現在も某巨大掲示板では「クレカ入れても登録できない」といった書き込みが多く、正確な手順については筆者もわからないでいる。
しかし、上の手順を(番号通りとはいかないが)実行することで、登録を試みたアカウントすべてで利用可能となっているので、暫定ではあるが上の手順を公開するに至った。
2.3 ソフトのインストール、楽曲のアップロード
Google Musicを利用するに当たり、まずは楽曲のアップロードから始める。アップロードには、Music Managerなるソフトを利用(インストール)する。
既に読んでいただいたと思うが、「1.3 日本でのサービス提供の現状」でも触れたとおり、日本においては著作権が絡むだけあってややシビアである。そのため、以降でアップロードするファイルについては、そのあたりをクリアした音源・楽曲を利用していただきたい。
既にご承知だろうが、“自己責任”、“自業自得”であることを忘れないでいただきたい。
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①Google Musicトップページにアクセスしたのち、「DOWNLOAD MUSIC MANAGER」をクリック
②「musicmanagerinstaller.exe」がダウンロードされるので、クリックして実行する
③「開いているファイル - セキュリティの警告」が現れたら、「実行」をクリック
④インストールが開始される
⑤ほどなくインストールが完了する
⑥Music Managerのセットアップ画面が現れるので、「Next」をクリック
⑦先ほど登録が完了したアカウントの情報を入力、「Sign in」をクリック
⑧アップロードする楽曲の場所をたずねられるので、管理しているソフトまたは場所にチェックを入れる
⑨フォルダーを(複数)指定することもできる
⑩「Next」をクリックすると、見つかった曲数が表示されるので、「Next」をクリック
⑪「フォルダーに追加された楽曲を自動的にアップロードしますか?」というメッセージが現れるので、「Yes」または「No」をクリック
⑫「この先タスクバーから設定やステータス確認が行えます」というメッセージが現れるので、「Next」をクリック、楽曲のアップロード準備が行われる
⑬「楽曲をアップロードしています」というメッセージが現れるので、「Close」または「Go to music player」(Webサイト)をクリック
⑭タスクバーのGoogle Musicアイコンを右クリック、「Options...」を選択してMusic Managerの画面を開くと、左側にアップロードのステータスが表示される
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※⑪で「Yes」を選択しておくと、⑧または⑨で指定したフォルダーに楽曲が追加されたとき自動的にアップロードされる。
2.4 曲の視聴など
アップロードを終えたら、ブラウザもしくはスマートフォンで視聴できる。
必要に応じて、楽曲情報を編集したりプレイリストを作成したりできる。
2.4.1 PC
①Google Musicトップページにアクセスすると、アップロードされた楽曲が表示されるので、聴きたいアルバムなどをクリック②聴きたいトラックを選択し画面左下の再生ボタンをクリックすると、再生が開始される
左のメニューの「PLAYLIST」右の「+」ボタンをクリックすると、新規プレイリストが作成できる。
楽曲をドラッグしてプレイリストへドロップすると、その楽曲がプレイリストに追加される。
楽曲(アルバム)の情報を編集するときは、そのアイコン右下の「◢」マークをクリックし、「Edit album info」を選択する。
アルバムアートワークも変更できる。
2.4.2 スマートフォン
ここではAndroid搭載機(Android4.0.4搭載Xperia AX)で説明する。iOS搭載機では、非公式ながら視聴アプリが有志により提供されている。ググれば見つかるだろうし、App Storeで検索してもよいだろう。
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①Playストアより「Google Play Music」アプリをインストールする
②「Playミュージック」アプリを起動する
③「Google Play Musicへようこそ」という画面が現れるので、「次へ」をタップ
④Google Musicに利用するアカウントを選択する画面が現れるので、アカウントをタップ、一覧になければ「アカウントを追加」をタップ
⑤「アカウントを追加」をタップすると以下の画面が現れるので、「既存のアカウント」をタップ
⑥Google Musicの利用登録を終えたアカウントの情報を入力、「ログイン」をタップ
⑦以下の画面が現れるが、とりあえず「次へ」をタップする
⑧⑦の各項目の同期が不要であれば、「設定」→「アカウントと同期」→アカウント名→チェック外す、の手順で同期を停止すればよい。
⑨再び「Playミュージック」アプリを起動させると、⑥で追加したアカウントが表示されるので、アカウント名をタップ
⑩これで、楽曲が自動的に表示されるようになる
⑪聴きたいアルバムなどをタップすると、アルバム内のトラックが表示される
⑫聴きたい曲をタップすると、ストリーミング再生が開始される
ホーム画面やアプリ起動中に通知バーを下におろすと、現在再生されている曲名とコントロールボタンが表示される。
ロック画面でも、現在再生されている曲名とコントロールボタンが表示される。
端末に楽曲(キャッシュ)をダウンロードしてオフラインでも聴くことができる。ダウンロードしたいアルバムまたはプレイリストの右下の「◢」をタップして「端末に保存」をタップする。
クレジットガード入力の処でどうにもならなくて諦めていたけど、この方法でインストールすることができました。
返信削除感謝。
これでやっと希望するモバイル環境が実現できそうです。ありがとうございます。
返信削除こちらで試した所、何度やっても
返信削除>⑭もう一度「Accept and buy」をクリックすると、今度は以下の画面が現れる
のままでした…
環境がわからないため何とも言えませんが、以下の点を確認してみてください。
削除・IPアドレスが米国のものとなっている
(プロキシを手動で設定するなどしてみる)
・クレジットカード情報登録において、米国のZipコードを入力する
(上記手順の例:94043)
4/1にアクセスした時はgoogle側で何か問題があったのかわかりませんが、
削除今日再度Buyをクリックしたら何事も無くアクセスできるようになりました…
Proxyが不安定で何度かやり直しましたが、ダウンロードまで行けました。ありがとうございます!
返信削除サービス提供開始を待っていたのですが、待ちきれない〜。
やっとできました!感謝です(^^)何回やってもダメだったんですが、プロキシをUSからイギリスに変更したら、接続できました。
返信削除カード設定の時は所在地をアメリカにしてニューヨークの郵便番号14850を借りました。何回もエラーしましたが、なんとかたどり着けました!
本当に有難うございました。
前にトライしてダメだったんですけど、今回、この手順通りで、
返信削除あっさり行けました。ありがとうございます。(^^)
郵便番号は、適当にサンフランシスコにしてみました。